生存ログ

DYSTOPIA JAPAN

2020/12/27

 

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Net Generation.

 

ライブに行った。私が10年前からずっと観てきたバンド、神聖かまってちゃんの久しぶりの有観客ライブだ。

恵比寿LIQUIDROOMで全席指定、私は31番だった。開演直前に行った為既に大勢が着席しており、係員に案内されながら人の間を縫った。前から3列目のセンターで、とても良い席だった。

 

3部構成のライブなのだが、特に2部が物凄かった。進撃の巨人とのタイアップ曲『僕の戦争』をやったのだ。Gt,Voのの子がボタンを押した瞬間、何度も聴いたあの秀逸でホーリーなイントロが襲ってきた。目を見開いて彼の動きを追うことしかできず、手を挙げることも、瞬きも、呼吸さえ後回しで、ただただ涙が流れた。音を聴くことだけに脳を使った。これ以外の記憶をあやふやにしてしまう程、強烈な数分間だった。

他にも2部では『ロボットの夜』や『夜空の虫とどこまでも』のような、音の美しさで場を魅了する楽曲を多くやり、神聖な空気感に包まれていた。こういった曲をやっているの子は紛れもない私の「神」で「教祖」で、唯一無二なのだ。音で脳を溶かして、救済の気分に浸れるこれらの曲が大好きだ。

 

の子は曲ごとで、何にでもなれてしまう。神や教祖の他に、ヒーロー、ロックスター、いじめられっ子、少年、少女、そのどれもが彼で、我々なのである。

 

観客側の発声禁止、モッシュ禁止。いつものライブとはかなり違う様相に、私の神は終始悔しそうだった。それでも「この曲を作ってよかったと思います」と言って始まったアンコール最後の曲『ロックンロールは鳴りやまないっ』では、の子も途中から涙を流していた。その後の言葉(ちゃんと覚えていないので文字にはしない)で、本当に純粋に音楽をやっている人間の美しさを痛感した。グッときた。

 

声が出せなくても、魂が伝わっていれば本望である。危険を冒して行った甲斐があるというものだ。

 

 

マスクをしながらライブを観ると、涙でびちょびちょなる。それは先月のGEEKS GIG(2020/11/15 - 生存ログ 参照)の際に学んだはずであったが、あろうことかマスクの替えを忘れた。

とりあえずで口紅を引き直し、衝撃や熱が冷めやらぬまま、私は歌舞伎町へと向かった。

 

 

 

 

 

目指すは第六金嶋本社ビル。エレベーターに乗り込み、B2を押す。階段で行けないことは前回来店時(2020/11/14 - 生存ログ 参照)に確認済みだ。

 

 

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エレベーターを降りると最推しのパネル。

 

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ジワジワくる。

 

 

受付にいたのは前回と同じ男性だった。見回した店内には思ったより人がおり、安心した。ちゃんと賑わっているではないか。

「あでりおさん初指名です」と言うと、「永久指名になりますがよろしいですか?」と尋ねられた。是。問題点など微塵も思い浮かばなかった。

 


席に案内される道中で、私の最推し、艷波李緒らしき人物が他の席にいるのを確認した。ロン毛だった(情報の少なさ)

 

 

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テーブルの様子。店内は薄暗い。

 

その後席で飲み物などを決めていると、色気が服着て颯爽と歩いて来るのが目に入った。身構える暇もなく、気づけばゼロ距離に座っていた。のっけから物凄い。思わず「本物だ……!」と口走っていた。

「初めまして」を言い、深めの握手をした。

 

前回はアポなしで失敗したので、今回はホスホスという外部のサイトから李緒さんのLINEを登録し、直接アポを取って来店する形をとった。しかし彼が言うには、ホスホスから来る客にはロクな人間がいないらしく、今回も小太りのおばさんが来ると思っていたらしい。

「DMくれればよかったのに」と言われたが、そんなに「個」の関わり方でいいのか。この度は、公式であろう形を取ったら逆に怪しまれる結果となった。

終始「若くて綺麗な子が来てくれてよかった」と言っていたので笑った。若くて綺麗でよかった。

また、その外部サイトからLINEをしてくる女性の中には、LINEだけしたいかまってちゃんタイプが多いのだそうだ。案の定、私も初めはそのタイプかと思われていたようだった。

しかしアポ取りの際に「何日の何時に行きます」と書いたのが功を奏したらしく、ちゃんと来てくれる子という印象を抱いて頂けていた。結果オーライだ。


前回来店時に、李緒さんが不在で会えなかった旨を伝えると「え!ごめんね」と言っていた。彼曰く、店舗の営業日でも有給を取っている日があるらしい。ホストにも有給制度があるのか、面白い。

その後、私がアポ取らなかったから仕方なかった、とこちらにも非があった旨を伝えると一転「そうだ、アポ取らなかったお前が悪い」と笑いながら言われた。頼むから最後まで客を労ってくれ。

 

 

 

艷波李緒は、やたらとシモの質問を振ってくるやらしいお兄さんだった。彼氏の有無と、別れた理由と、経験人数を聞かれた。やらしいお兄さんだ。その後「俺がセックスしよって言ったらする?」と聞かれた。本当にやらしいお兄さんだ。

上記の質問にはかなり迷っている素振りをしてみたが、冷静に考えて李緒さん相手なら誰でもするだろう。損得で考えてするだろう。「迷いつつも流されるタイプだね」と完全に見抜かれていた。ホスト恐ろしい。

 

その他の質問や私の言動から、何だか、私がどういう人間かを察そうとしているように感じた。観察、分析されているのが分かった。挙げ句、自己肯定感が低い女だということがバレた。鬱になるのでやめてほしい。

 


顔が良すぎる為、質問をされた際にうっかり顔を見てしまうと、思考が「かっこいい」で埋め尽くされてしまう現象が起こった。チラ見で乗り切っていたが、誤ってガン見してしまった際には質問に答えることを忘れ「人中の長さがこうで顎がこれだけあってラブレットで肌の質感……」と脳内で実況してしまい、何度かフリーズしていた。

フリーズ、もとい見つめすぎたのか、「ちゅーする?」と聞かれたので「ちゅーしない」と答えた。

 

 

 

何の話でそうなったのかは覚えていないが、ハッスルタイムのモノマネと称して覆いかぶさってきたことがあった。「セクキャバにこういうハッスルタイムっていうのがある」と説明して頂いたが、ハッスルタイムというより、蝉ドンだった。向かいの席のホストは引いていたと思う。

当の私は何が何だか分からなすぎて、引く暇がなかった。あれは一体何だったんだ。

 

 

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蝉ドン。

 

 

ずっとナチュラルに触られすぎて、特別なこと(蝉ドン以外)をあまり覚えてない。目の前の存在に脳内処理が大忙しで、その付属物の手がどこにあるかなど考えている暇がなかった。それでも長い間、李緒さんの手は首周りにあった気がする。やたら触ってくるなと思っていたら、首が長いのが好きだと彼は言った。

 

「首が長くて綺麗でスタイルも良い」とお褒めに預かった。後に「それなのにカラコンをしないのはもったいない」と裸眼に対するダメ出しをかなりされた。特に、金髪ショートで裸眼なのは、外出しているのを恥じないとおかしいくらいにだめだと言っていた。上げて落としすぎでは。鬱になるわ。

 

かくいう李緒さんは、コスプレ用の発色がドギツイカラコンを装着している。貴方こそ似合っていないですよ、と思っていたが、キャラ作りだと言っていた。裸眼の方が好きです、と伝えると、その場でズラしてくれた。痛そうだった。

 

 

かわいくなってモテた方が楽しい。死ぬ時に後悔する生き方はしたくない。ホストが女の子をかわいくして、その対価として高い料金を頂く。

上記のような持論を聞かされた。共感する部分もあったが、うんざりした。生き方を強要しないでほしい。

 

 

 

来店してすぐ、李緒さんに料金の仕組みを教えて頂いたが、私の記憶違いでなければ、2回目以降は2万円から5万円がかかるのだそう。馬鹿なのか。頼むから内訳を教えてほしい。

テーブルのヘルプのホストも全員飲ませた場合ね、と言っていたが、そもそも何故私が指名していないホストに酒を飲ませないといけないのか。よく分からない。

 

上記の流れで聞いたが、OZONE-player's club-はタックスが50%だそうだ。俺も高いと思う、と李緒さんは仰せになっていた。後にググると、店舗毎にバラツキはあるものの、平均は30%程度だとのことだった。治外法権すぎる。

 

 

 

私は計1時間程滞在していたが、李緒さんはずっと横にいる訳ではなく、2度か3度どこかへ行ってしまう時があった。ホストクラブのシステムを完全に理解できてはいないが、おそらく「枝」として来店した客にピックアップされ、15分程別テーブルにいたのだろう。動きの予想がつくようになってきた。来店前に想像していたよりは、長く私の横にいたように思う。

 

 

李緒さんが席を開けている間は、計3名のホストが私の話し相手をしてくれた。顔がタイプではなかったので、李緒さんと話すよりもよっぽど話しやすかった。

今日は李緒さんに名刺をもらうことと、一緒に写真を撮ることを目標としていた。前回、別店舗に行った際は「枝」で、積極的に多くの名刺をもらえたので、本指名であるが初対面の今日も、いの一番にもらえるものだと思っていた。

ヘルプに名刺の有無を尋ねたところ、「俺らが名刺を渡すと李緒さんに殺されます。人の女に手出してるみたいなものなので」と言われた。貴方たちの名刺がほしいとは一言も言っていないが、本指名済みの客に名刺を渡すことは「人の女に手を出す」ことになるのか、と関心した。いや、そんなことよりも、私は「李緒さんの女」なのか。面白表現を胸に刻んだ。

その後戻ってきた李緒さんに「名刺を下さい」と言ったら「オッケー」と言って颯爽と取りに行ってくれた。常に持ってないのかよ、と思ったが、行きと同じく颯爽と帰ってきてくれて好きだった。颯爽推し。

 

 

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ギラギラしてやがる。

 

 

 

李緒さんに「写真撮りたいって言ってたよね」と言い出してもらい、撮れる流れとなった。その上「やっぱり動画の方がいいよね」と自発的に変更してくれた。本当にわかっていらっしゃる。

 

そうして16秒の黒歴史が生まれた。色気が服きた顔面美麗、艷波李緒の隣に、水質汚濁ならぬ顔面汚濁こと私が並んでいる光景は正直滑稽だった。室内が暗く、スマホのライトで照らす必要があり、私の顔面の凹凸は見事にとっぱらわれたのである。私のスマホをライトに使用した為、撮影には李緒さんのスマホが使われた。私がライトを持つのが下手すぎて、李緒さんが両方を持って撮影してくれた。その光景は面白かったが、16秒が、彼のスマホにデータとして残っているのが耐えられない。まあ、あまり考えないようにしよう。

動画の終盤で、目の上にキスのサービスを頂いた。瞼が少し濡れた。その瞬間も動画にある訳だが、本当にクリーチャーでしかない私の顔をあまり見られない。画面半分を切り取って保存した。

 

 

 

OZONE-player's club-はフリータイム制だったが、私は終電で帰らなければならなかった。


東新宿から終電(1本前)で帰る、と申し出ると、「20分前に出た方がいいよ!」とテーブルにいたホスト全員がせかせかし始めた。来る時は徒歩5分だったのでよくわらかなかったが、余裕を持って早めに出たらやはり徒歩5分で着いた。夜の男たちの土地勘を疑う。普段電車乗らないのだろうな。

 

 

李緒さんに「早めにチェックした方がいいよ」と言われ「チェックって何ですか」と問うと、「本当に何にも知らないんだね、さっき生まれたばっかりなの?」と言い、かわいがられた。

「チェック」は「会計」なんだってね。知るかよ。頼むから日本にいる間は会計、勘定、おあいその3種で許してほしい。

 

かなり序盤に、李緒さんに「俺も酒飲んでいい?」と言われ、ナチュラルに缶ものの2,000円を初回料金にプラスされてしまっていた。金の使わせ方がナチュラルで怖かった。

しかし会計時には初回料金のみだった。ミスだったのか不明であるが、李緒さんの計らい(?)で初回料金のみでいいよ、としてくれた。

 

 


李緒さんにエレベーター前まで送って頂いた。前を歩く李緒さんをぼーっと眺め、案外小さいな、と思っていた。

 

エレベーターの上昇ボタンを押した後、来るまでの間ハグをされた。嬉しかったのか、あまり覚えていない。めちゃくちゃ困ったのは覚えている。慌てふためいていると「もうエレベーター来ちゃうよ?」と耳元で言われたので、ふためくのをやめ、唸った。なんだこいつ、とパニックになりながらも、李緒さんの背に手を回した。

 

よく分からないハグタイムは、非情にもエレベーターの到着によって終わりを迎えた。ふう、これで終わりか、と思いエレベーターに乗ろうとしたら、身体を掴まれた。その後唇に何らかの感触。痛い、何だ、髭か?混乱していると、李緒さんが「じゃあ」と去ろうとする。お、おう、と思い、再びエレベーターに乗り込もうとし、その自動扉に挟まれた。ダサすぎる。

 

仕切り直し、お別れをする。エレベーター上昇中、箱の中で「そういった類か〜!」と思っていた。偏見にまみれていて申し訳ないが、枕してなんぼ、みたいな稼ぎ方をしてそうだ。

 

後になって思ったことだが、初回で唾つけ次回に期待をさせ、更に金を使わせて枕をにおわせたりしてそうだ。ドツボだ。

 

 

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これがお前のやり方か。

 

 

 

 

ビルを出ると放尿しながら歩いているおじさんがいた。歌舞伎町怖い、と感じる脳のキャパはなかった。無感情で横を通り過ぎる。

 

その後の帰り道も、コンビニで買い物をしている最中も、ホテルに戻ってからも、全身から艷波李緒のにおいがしていた。大変えっちだった。

 

 

 

 

OZONE-player's club-は、その自動扉のボタンを押した瞬間から異世界だった。キャストは当たり前、客でさえもマスクをしていなかったのである。昨今のコロナ騒動が嘘みたいな空間であった。

 

挙げ句キスまでされた。粘膜接触というやつだ。艷波李緒が感染者だったら一発アウトだ。

 

その上、ヘルプでついていたホスト3人のうち2人がコロナ経験者という、とんでもない爆弾をお待ちであった。5ヶ月前くらいにかかったそうだが、風邪よりしょぼかったと言っていた。歌舞伎町、狂っている。

 

 

Club Guysはマスクをしているキャストの方が多かった。それでも顎マスクやノーマスクに違和感を感じた程であったが、あれでも現寄りだったようだ。

 

枝と本指名の違いなのか、キャストや店舗の違いなのか不明であるが、Club Guysのほうが健全にホストをしている印象を受けた。

 

 

 

次回、最低2万円か、と浅草のホテルで途方に暮れる。交通費と合わせると最低5万円から最悪8万円が飛ぶ。ちょっといい物件の家賃か。やはり軽率には会えないか。頑張って行くので褒美でベロチューくらい頂けないだろうか。

 

冗談はさておき、怒涛の濃すぎるエンタメはしごの今日。ライブハウスで場馴れしてないゆうくん神聖かまってちゃんのサポートベース。元ファン。コミュ障っぽい)を見て居た堪れなくなったあと、ホストクラブで場馴れしてない自分を痛感し居た堪れなくなったのであった。

 

 

 

楽しかったのは事実であるが。

なんとも少々の後味の悪さ。