生存ログ

DYSTOPIA JAPAN

2021/05/28

 

5月も佳境だ。もう28日になる。ひとときが過ぎる体感スピードは通常なのに、トータルで考えるととても早い。早い上に、1日1日特に何も進歩することなく生きているせいで「今日も何もできなかった」という後悔の念と、それに伴う焦燥感が打ち寄せる。

分かっていても、「昨日あまり眠れなかったから」や「今日は人間を警戒しなければならない日だから」等と自分に言い訳をし、漫画『バイオレンスアクション』のページをめくることしかしなかった。

 

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『バイオレンスアクション』。主人公の菊野渓ことケイちゃんがめちゃくちゃかわいい。ケイちゃんが好きすぎて簿記習いたくなってくるし、電動キックボードにヘッドホンで道交法違反したくなった。

 

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「わたしは大丈夫。希望を持ってるから。
“小さくてもそれを持つのはいいことだ”」

 

この言葉が好きだ。単純だけれど、シンプルで分かりやすい。小さな希望を繋げて日々延命させていきたい。

心がすさんだ時に読む漫画、なんて決めている訳ではないけれど、人を殺しながらも前向きに明るく希望を持って生きているケイちゃんに、どこか心洗われるような感覚になる。

 

やはり、人が死ぬ漫画はいいな。

 

 

帰宅後、シャワーを済ませてからサバを焼いた。サバは良い。焼くだけでめちゃくちゃおいしい。白ごはんとインスタント味噌汁と、もやしナムルを作って平らげた。白ごはんのおかわりは2杯までに抑えた。

そういえば最近、神の供物シメサバを食べていない。あれほどまでにおいしいものは滅多にない。市販では、1枚800円するシメサバが暫定1位の代物だったが、最近は580円のものしか見かけない。期間限定だったのだろうか、と君想フ日々。

SABARにも行きたい。サバの刺身は魔物だ。一切れで天国に行ける。お手軽聖書。食べながら十字を切ったことを思い出した。

 

 

昨日、時計が届いた。

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830時計店(https://830.hachisanmaru.com)さんのVFD真空管時計だ。『TIME MACHINE』と名がついていた。格好良すぎる。

 

去年やっと、アニメ『Steins Gate』を鑑賞した身としては、一目見た瞬間「ウホア!ダイバージェンスメーターだ!ウホアアア!」と、野生を取り戻すこととなった。その後、理性を失った野生のまま購入に至った。

厳密に言うとダイバージェンスメーターはニキシー管なので、VFD真空管のこれとは別物だ。ニキシー管時計もいつか買いたいなあと思いつつ、シュタゲから公式で発売されたダイバージェンスメーターを調べたところ、30台限定発売で約8万円だった。勝ち組のオタクしか買えない。

 

現状、テーブルも棚もない部屋にこんなニッチな時計を迎えてしまった。完全に金を使う方向を誤っているが、なんとなくとても「わたしらしい」と思った。

この時計をベースに、違った意味での「男ウケのいい部屋」を作っていければ本望。このペースでいくと、完成は本当に5年後になりそうだ。

 

 

そんなVFD真空管時計をつけっぱなしでも気にならない程の眠気、ようこそ。おやすみ。

 

 

2021/04/24

 

休憩中、外に出た。ベンチに座って映画を観る。配信が今日までの映画『アカルイミライ』のラスト10分。最高のクラゲ映画だった。

そんな折隣に、女性2人が座った。映画の音声の隙間から聞こえた会話はこうだ。

 

「彼氏がインスタに載せすぎるのはマジ無理、それってもう記念グラムじゃなくて自己満グラムだよね」

 

そこまで聞いてiPhoneの音量を最大にした。「○○グラム」という表現に虫唾が走るのは、もう若くない証拠なのだろうか。

あと自己満足で何が悪いのだろうか。確かに過剰に私生活を載せすぎるのは好かないが、それを言うなら「垂れ流しグラム」だろう、と心の中でツッコミを入れた。どうでもいい。

 

 

数日前に『偽物語』を観た。その劇中で、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードこと忍野忍ミスタードーナツに来店するシーンに影響され、ドーナツをたくさん買った。

 

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近所にミスタードーナツがなかった。

 

1番奥の、もちもちとしたリングドーナツ(淡路島産牛乳入りホイップクリーム)が最高においしかった。ローソンやりおる。

 

 

 

近頃、飴と鞭を上手い具合に使われている気がする。というか馬鹿だから、勝手に自分から使われにいっている気もする。

普通を諦めて、普通に成れるやもと期待して、絶望して、また諦めたところで期待をチラつかせられて、何たる地獄の無限ループか。一体いつになったら終わるんだ。

早く手を打たないと気が狂ってしまう。私はバイ菌601459号であることを忘れてはならないのにすぐ忘れて、人間のふりして混ざって仲良くなろうとして、気持ち悪い。

 

こんな話『偽物語』にもあったな、と思い出した。『つきひフェニックス』だ。影縫余弦の京都弁が好きだった。

確か、物語シリーズNetflix配信が5/1までだった。今月中に全て観終わらなければ。前述した『アカルイミライ』よろしく、配信終了スケジュールに追われている。

 

アカルイミライ』は凄惨な事件が起こるにも関わらずその事件を主役とせず、加害者と、それを取り巻く人間とクラゲ模様を描いた作品だ。この映画の加害者、守の父親が本当に良い人で報われてほしいと思った。良い人イコール良い父親ではないが、だからこそ隅々まで人間らしい。

画面は常に彩度が低く、変にズームしたように画質が粗くなるシーンもあり、全体的に湿った雰囲気だった。しかし、浅野忠信演じる守のキャラクターは終始穏やかで、たまに流れる軽快と言うべきか、軽薄とも取れる音楽が、いい具合に湿っぽさを緩和させていた。

 

上記のように分かったようなことを書くのが得意だが、全部適当、気のせいだ。

 

どうしても今日中に観ておきたかったもう1作品、『淵に立つ』でも浅野忠信は殺人犯役をしていた。彼は本当に犯罪者の役が似合う。川辺でがなった際の声が本当に格好良くて「好きです」と思った。

この映画は加害者側と被害者側がごった返していて、大変なことになっていた。唐突に安易なネタバレを挟むが、妻の章江視点が本当に地獄だったので書かせてほしい。

ある日突然、先月まで服役していたヤクザが家に住みつきだしたと思えば自分も娘も心を許し、挙句そのヤクザとデキてしまい、罪悪感に苛まれていたところ娘をそのヤクザに障害者にされ、強迫性障害になること8年、経営している工場に新しく入社してきた青年がそのヤクザの実の息子だということと、ヤクザが犯した殺人に夫が関わっていたことがほぼ同時に判明する。地獄でしかない。そりゃあ自殺もしたくなる。

八坂(ヤクザ)との不倫で充分最悪だったのにも関わらず、夫も八坂寄りの人間だったことが判明したことにより、結婚、そして娘を産んだことまでもが「間違い」になってしまっていた。現実は1つも変わっていないが、事実を知ってしまったことにより、全てが変わってしまった章江の心中は察し難い。

その衝撃や衝動、絶望によって選んだ自殺でも、自身は夫によって何とか息を吹き返すが、望まぬ心中で意識を失ってしまった娘の息は未だ止まったまま、夫が必死に娘に施す心臓マッサージの音で、映画は幕を閉じる。

 

暗すぎわろたがこれでこそ邦画。浅野忠信が最強。

 

劇中で娘がオルガンで弾いていたエルメンライヒの『紡ぎ歌』。私もピアノを習っていた頃、この曲を発表会で弾いたことを思い出した。教室の先生がとても厳しくて毎週泣かされるので、本当に嫌いだった。教室を2つまたぎ3歳から12歳まで通っていたが、本当に辞めてよかった。

 

 

 

夕食は、昨晩作った寄せ鍋に野菜とうどんを足し、寄せ鍋バージョン2.0を作って食べた。つゆは買わずに醤油やらみりんやらを組み合わせて作ったが、とてもおいしかった。天才と思う。

それとカレーライスを食べた。メインとメインを同時に食べるのをやめたい。

 

 

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鎌を検索しすぎて広告で出てくるようになった。

 

 

終わりどころがわからず、オチもない。

受験生全員読めばいいと思う。

 

 

 

 

 

2021/04/16

 

起きた。明け方、まだ暗い。昨夜ぼーっと横になり、そのまま眠ってしまったようだ。脳は眠ったまま、身体を起こして洗面台へ向かう。

道中、玄関に貼ってあるカレンダーを確認する。2週間用のコンタクトレンズを開けてからまだ10日程しか経っていなかった。今すぐにでもかなぐり捨てたいが、それは叶わないようだ。パリパリになった目に指を突っ込んだ。

洗浄も程々に、ベッドへ戻る。時間を確認すると、4時44分だった。大森靖子を一瞬思い出し、再び眠りについた。

 

起きた。寝ぼけまなこでNetflixを漁っていたら、私の最上ラブ映画こと『ホットファズ』の配信が再開されていた。見つけ、歓喜し、息を呑んで、即再生した。

展開も台詞も分かりきっているのに、なぜこうも面白いのか。去年の夏にこの映画を見つけてから、何だかんだで鑑賞するのはまだ4回目だ。

好きな映画は何度観ても本当に面白い。観すぎると飽きるので配分には気をつけなければならないが。

(まだ昼だけど)今宵のニコラス・エンジェルも最高だった。

 

続けて『変態小説家』を観た。『ホットファズ』と同じく、サイモン・ペッグが主演だ。ノリノリの音楽や痛快なストーリーがない為、やや物足りなかった。ただ彼の低い声での語りは、息遣いや単語ののばし方が絶妙でずっと聞いていたくなった。

 

パスタを作って食べようかと思ったが、空腹でなかったのでやめた。普段から「空腹でないなら食べない」という選択ができるようになりたいものだ。

 

米が半合しかなかったので、スーパーマーケットへ買い出しへ行く。牛乳もない。あと練乳も。昨夜、いちごとバナナを一口大に切ったものに、気が狂った量の練乳をかけて食べた。とてもおいしかった。いちごは然ることながら、バナナにまで合うとは、練乳恐るべし。

 

スーパーマーケットが好きだ。必要なものをカゴに放り込んでいくのが気持ち良い。必要なものだからお金を使ってもあまり罪悪感がない、気がする。

ひさしぶりに来店するとセルフレジになっていた。いいぜ、社会の波に乗ってやろうじゃない、とセルフレジへ直行する。ピッピッ、と自分でバーコードを読み取らせるのが怠い。そう思ってズッキーニを投げ入れた途端、機械が止まり「店員が来ます。そのままお待ち下さい」の文言。仰せのままに、店員が来るまでぼーっと立ち尽くした。怠い。

やはり機械は嫌いだ。

 

ルフレジ戦争にて調達した唐揚げと白米を食べた。白米には食べるラー油をかけた。数年前に流行った食べるラー油のおいしさに、今年になって気がついた。流行りものに疎いどころの話ではない。

Netflixでの配信が今月の22日までの作品の冒頭をいくつか観たが、馬鹿みたいに騒ぐ男女が脳に入ってこなかったのでやめた。

食後に、昨夜食べたいちごバナナ練乳まみれ丼(大盛)を食べた。牛乳も少し入れて、最後に飲み干した。これが私の血となる。

 

 

人に会わない休日がひさしぶりだ。本当はZARAジーンズを返品しに行こうかと思っていたが、身体が動かずやめた。今日はやめてばっかりだ。

誰かと会って、リフレッシュされることも大事だが、私は、誰にも会わない日がないと生きていけないと思う。

 

気づけば日が沈んでいた。誰にも会わない、何もしない休日は最高だ。夕食はカレーライスにしようかと思っていたが、いちごバナナ練乳まみれ丼(大盛)がまだ胃にいたので、先に入浴することにした。

 

頂いたLUSHの入浴剤を入れた。バターボールというもので、入れてみると無色透明で、スイーツみたいな匂いがした。油分が多く、保湿を謳ってそうだと思った。

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鼻横の部分がバスボムになっている。写真が怖すぎる。

 

そんな贅沢湯に浸かりながら、映画『彼女』を観た。水原希子さとうほなみが楽しそうにしているのがとても良くて、YUIのCHE.R.RYは私も一緒に歌った。

髪色が綺麗な映画を観ると染めたくなる。今年の夏は永澤レイ色にしよう。

 

 

あまり空腹ではなかったが、カレーを作った。豚バラとズッキーニとトマトの夏カレーだ。「カレーは2日目がおいしい」などと言われているが、私のカレーは天才なので1日目からフルスロットルでおいしい。クミンパウダーも追加した。

そして、あまり空腹ではないのにも関わらず、3杯食べた。馬鹿かと思う。

 

食べながら、本日4本目の映画『ナッティ・プロフェッサー』を観た。のっけからヴィレッジ・ピープルの「マッチョ・マン」が延々と使われていた。そういえば、半月前に観た『アダムス・ファミリー2』でも使われていた。

 

 

特に何もしていない日について、2,000字近く書けてしまうの、天才かと思う。いつだって自己評価ぶっ飛び気味が通常運転だ。

 

おやすみ。

 

 

 

2021/01/02

 

昼過ぎに目覚めた。起床後、母親の有り合わせの昼食を頂く。この感じ、ひさしぶりだ。「実家は良い」と言う人間の気持ちが少しわかったような気がする。

 

少しゆっくりして、実家を後にした。また来月頃に帰ろうか。帰りは妹の自転車の後ろに乗せてもらった。会話をしながら一緒に歩いて駅まで、という提案をしてみたが、そんな時間はないとのことである。私の数十倍多忙らしい。

 

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臀部へのダメージ。

 

 

 

正月で暇だからか、最推しホストからLINEがきていた。存在に現実味がなさすぎるので、艷波李緒を騙っているような気さえする。

 

 

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フォントをかわいくしているので余計かわいく感じる。

 

 

 

2020/12/31

 

晦日。何それ。出勤だ。

PC業務はやることがなさすぎて、ほぼ片手にハサミを持ち、工作業務をしていた気がする。また、年末だからか管理者がクソだからか暖房が効いておらず、室内なのにも関わらず凍えていた。

 

今日は稼働後にそのままの足で実家に帰る予定であったが、連日本当に寒いので取りやめた。働いた後に、最寄り駅から実家までの徒歩20分を耐えられる気がしなかった。

 

年末、ということでテンションが上がり、家中の野菜を使ってキムチ鍋を作った。さすがに量が多すぎて味の調節が上手くいかなかった。馬鹿かと思う。

 

 

年の瀬に、オモコロライターの雨穴さんにハマった。記事と同じ内容を動画にもしているのだが、そのビジュアルのかわいらしさと不気味な雰囲気が堪らない。

そんな彼の動画を湯船に浸かりかながら見漁る。丁度、MV「茶道*DANCE SPACE」 - YouTubeを視聴している最中に日付が変わった。2021年は雨穴さん贔屓年になりそうだ。

 

 

優しい気持ちになるのでおすすめ。

みんなのうた2 - YouTube

 

 

 

2020/12/28

 

起きた。チェックアウトまで1時間。やはり前回同様眠りが浅い。チェックアウト時間を数分過ぎている時計を横目に、のろのろと出発の準備をした。

 

下町浅草を闊歩する。マップを見ながら歩き、分かれ道では立ち止まって確認したにも関わらず、不正解の橋を渡ってしまった。曇天の空に金色の人糞と634mが溶け込んでいた。

公園で遊ぶ園児達を横目に、アルフォートプレミアム・濃ミルクを1粒口へ放る。不思議と昨夜の出来事は思い出さなかった。この後どこに行こうか、それのみに思いを馳せていた。

 

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駒形橋上にて。

 

浅草より電車を乗り継ぎ、渋谷に到着した。銀座線渋谷駅のホームのベンチは、その街の人の冷たさを反映していた。腿の裏が凍傷になりかけた。

この後会う予定の友人、産業廃棄物君に連絡をする。まだまだ到着には時間がかかるとのことだったので、一足先に下北沢へ行くことにした。いつだって下北沢は我々を癒してくれる。

 

さて、下北沢に降り立ったはいいがどこへ行こう、と適当に歩いていると、前回(2020/11/15 - 生存ログ 参照)行ったラテ専門店、BALLOND'ESSAIが開いていた。どこかのサイトで「月曜定休」の表記を見た気がしたので諦めていたが、無事暫定1位のラテにありつくことができた。

 

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味わうならやはりアイス。

 

狭い店内、他に人が来なかったこともあり、1時間半ほど滞在した。店員さんが格好良い。

 

 

産業廃棄物合致。ランチを、としていたが行く宛てがなく、下北沢の街を右へ左へさまよった。彼曰く大阪から来た私が店を調べておくべきだったそうだ。へえ。

 

結局、チェーンのファストフード店に入った。右隣にオーラが浮浪者の老人がいた。数時間話したが、産業廃棄物君は人生の山と谷が同時に訪れるタイプの人種らしい。気苦労が多そうだ。

出費が多いと嘆いていたが、ポテトなどをご馳走になった。

 

 

訳の分からないシフトを目指しているので、帰阪後ダッシュで職場へ向かい、1時間半のみ出勤した。何だこれ。

 

 

 

2020/12/27

 

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Net Generation.

 

ライブに行った。私が10年前からずっと観てきたバンド、神聖かまってちゃんの久しぶりの有観客ライブだ。

恵比寿LIQUIDROOMで全席指定、私は31番だった。開演直前に行った為既に大勢が着席しており、係員に案内されながら人の間を縫った。前から3列目のセンターで、とても良い席だった。

 

3部構成のライブなのだが、特に2部が物凄かった。進撃の巨人とのタイアップ曲『僕の戦争』をやったのだ。Gt,Voのの子がボタンを押した瞬間、何度も聴いたあの秀逸でホーリーなイントロが襲ってきた。目を見開いて彼の動きを追うことしかできず、手を挙げることも、瞬きも、呼吸さえ後回しで、ただただ涙が流れた。音を聴くことだけに脳を使った。これ以外の記憶をあやふやにしてしまう程、強烈な数分間だった。

他にも2部では『ロボットの夜』や『夜空の虫とどこまでも』のような、音の美しさで場を魅了する楽曲を多くやり、神聖な空気感に包まれていた。こういった曲をやっているの子は紛れもない私の「神」で「教祖」で、唯一無二なのだ。音で脳を溶かして、救済の気分に浸れるこれらの曲が大好きだ。

 

の子は曲ごとで、何にでもなれてしまう。神や教祖の他に、ヒーロー、ロックスター、いじめられっ子、少年、少女、そのどれもが彼で、我々なのである。

 

観客側の発声禁止、モッシュ禁止。いつものライブとはかなり違う様相に、私の神は終始悔しそうだった。それでも「この曲を作ってよかったと思います」と言って始まったアンコール最後の曲『ロックンロールは鳴りやまないっ』では、の子も途中から涙を流していた。その後の言葉(ちゃんと覚えていないので文字にはしない)で、本当に純粋に音楽をやっている人間の美しさを痛感した。グッときた。

 

声が出せなくても、魂が伝わっていれば本望である。危険を冒して行った甲斐があるというものだ。

 

 

マスクをしながらライブを観ると、涙でびちょびちょなる。それは先月のGEEKS GIG(2020/11/15 - 生存ログ 参照)の際に学んだはずであったが、あろうことかマスクの替えを忘れた。

とりあえずで口紅を引き直し、衝撃や熱が冷めやらぬまま、私は歌舞伎町へと向かった。

 

 

 

 

 

目指すは第六金嶋本社ビル。エレベーターに乗り込み、B2を押す。階段で行けないことは前回来店時(2020/11/14 - 生存ログ 参照)に確認済みだ。

 

 

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エレベーターを降りると最推しのパネル。

 

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ジワジワくる。

 

 

受付にいたのは前回と同じ男性だった。見回した店内には思ったより人がおり、安心した。ちゃんと賑わっているではないか。

「あでりおさん初指名です」と言うと、「永久指名になりますがよろしいですか?」と尋ねられた。是。問題点など微塵も思い浮かばなかった。

 


席に案内される道中で、私の最推し、艷波李緒らしき人物が他の席にいるのを確認した。ロン毛だった(情報の少なさ)

 

 

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テーブルの様子。店内は薄暗い。

 

その後席で飲み物などを決めていると、色気が服着て颯爽と歩いて来るのが目に入った。身構える暇もなく、気づけばゼロ距離に座っていた。のっけから物凄い。思わず「本物だ……!」と口走っていた。

「初めまして」を言い、深めの握手をした。

 

前回はアポなしで失敗したので、今回はホスホスという外部のサイトから李緒さんのLINEを登録し、直接アポを取って来店する形をとった。しかし彼が言うには、ホスホスから来る客にはロクな人間がいないらしく、今回も小太りのおばさんが来ると思っていたらしい。

「DMくれればよかったのに」と言われたが、そんなに「個」の関わり方でいいのか。この度は、公式であろう形を取ったら逆に怪しまれる結果となった。

終始「若くて綺麗な子が来てくれてよかった」と言っていたので笑った。若くて綺麗でよかった。

また、その外部サイトからLINEをしてくる女性の中には、LINEだけしたいかまってちゃんタイプが多いのだそうだ。案の定、私も初めはそのタイプかと思われていたようだった。

しかしアポ取りの際に「何日の何時に行きます」と書いたのが功を奏したらしく、ちゃんと来てくれる子という印象を抱いて頂けていた。結果オーライだ。


前回来店時に、李緒さんが不在で会えなかった旨を伝えると「え!ごめんね」と言っていた。彼曰く、店舗の営業日でも有給を取っている日があるらしい。ホストにも有給制度があるのか、面白い。

その後、私がアポ取らなかったから仕方なかった、とこちらにも非があった旨を伝えると一転「そうだ、アポ取らなかったお前が悪い」と笑いながら言われた。頼むから最後まで客を労ってくれ。

 

 

 

艷波李緒は、やたらとシモの質問を振ってくるやらしいお兄さんだった。彼氏の有無と、別れた理由と、経験人数を聞かれた。やらしいお兄さんだ。その後「俺がセックスしよって言ったらする?」と聞かれた。本当にやらしいお兄さんだ。

上記の質問にはかなり迷っている素振りをしてみたが、冷静に考えて李緒さん相手なら誰でもするだろう。損得で考えてするだろう。「迷いつつも流されるタイプだね」と完全に見抜かれていた。ホスト恐ろしい。

 

その他の質問や私の言動から、何だか、私がどういう人間かを察そうとしているように感じた。観察、分析されているのが分かった。挙げ句、自己肯定感が低い女だということがバレた。鬱になるのでやめてほしい。

 


顔が良すぎる為、質問をされた際にうっかり顔を見てしまうと、思考が「かっこいい」で埋め尽くされてしまう現象が起こった。チラ見で乗り切っていたが、誤ってガン見してしまった際には質問に答えることを忘れ「人中の長さがこうで顎がこれだけあってラブレットで肌の質感……」と脳内で実況してしまい、何度かフリーズしていた。

フリーズ、もとい見つめすぎたのか、「ちゅーする?」と聞かれたので「ちゅーしない」と答えた。

 

 

 

何の話でそうなったのかは覚えていないが、ハッスルタイムのモノマネと称して覆いかぶさってきたことがあった。「セクキャバにこういうハッスルタイムっていうのがある」と説明して頂いたが、ハッスルタイムというより、蝉ドンだった。向かいの席のホストは引いていたと思う。

当の私は何が何だか分からなすぎて、引く暇がなかった。あれは一体何だったんだ。

 

 

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蝉ドン。

 

 

ずっとナチュラルに触られすぎて、特別なこと(蝉ドン以外)をあまり覚えてない。目の前の存在に脳内処理が大忙しで、その付属物の手がどこにあるかなど考えている暇がなかった。それでも長い間、李緒さんの手は首周りにあった気がする。やたら触ってくるなと思っていたら、首が長いのが好きだと彼は言った。

 

「首が長くて綺麗でスタイルも良い」とお褒めに預かった。後に「それなのにカラコンをしないのはもったいない」と裸眼に対するダメ出しをかなりされた。特に、金髪ショートで裸眼なのは、外出しているのを恥じないとおかしいくらいにだめだと言っていた。上げて落としすぎでは。鬱になるわ。

 

かくいう李緒さんは、コスプレ用の発色がドギツイカラコンを装着している。貴方こそ似合っていないですよ、と思っていたが、キャラ作りだと言っていた。裸眼の方が好きです、と伝えると、その場でズラしてくれた。痛そうだった。

 

 

かわいくなってモテた方が楽しい。死ぬ時に後悔する生き方はしたくない。ホストが女の子をかわいくして、その対価として高い料金を頂く。

上記のような持論を聞かされた。共感する部分もあったが、うんざりした。生き方を強要しないでほしい。

 

 

 

来店してすぐ、李緒さんに料金の仕組みを教えて頂いたが、私の記憶違いでなければ、2回目以降は2万円から5万円がかかるのだそう。馬鹿なのか。頼むから内訳を教えてほしい。

テーブルのヘルプのホストも全員飲ませた場合ね、と言っていたが、そもそも何故私が指名していないホストに酒を飲ませないといけないのか。よく分からない。

 

上記の流れで聞いたが、OZONE-player's club-はタックスが50%だそうだ。俺も高いと思う、と李緒さんは仰せになっていた。後にググると、店舗毎にバラツキはあるものの、平均は30%程度だとのことだった。治外法権すぎる。

 

 

 

私は計1時間程滞在していたが、李緒さんはずっと横にいる訳ではなく、2度か3度どこかへ行ってしまう時があった。ホストクラブのシステムを完全に理解できてはいないが、おそらく「枝」として来店した客にピックアップされ、15分程別テーブルにいたのだろう。動きの予想がつくようになってきた。来店前に想像していたよりは、長く私の横にいたように思う。

 

 

李緒さんが席を開けている間は、計3名のホストが私の話し相手をしてくれた。顔がタイプではなかったので、李緒さんと話すよりもよっぽど話しやすかった。

今日は李緒さんに名刺をもらうことと、一緒に写真を撮ることを目標としていた。前回、別店舗に行った際は「枝」で、積極的に多くの名刺をもらえたので、本指名であるが初対面の今日も、いの一番にもらえるものだと思っていた。

ヘルプに名刺の有無を尋ねたところ、「俺らが名刺を渡すと李緒さんに殺されます。人の女に手出してるみたいなものなので」と言われた。貴方たちの名刺がほしいとは一言も言っていないが、本指名済みの客に名刺を渡すことは「人の女に手を出す」ことになるのか、と関心した。いや、そんなことよりも、私は「李緒さんの女」なのか。面白表現を胸に刻んだ。

その後戻ってきた李緒さんに「名刺を下さい」と言ったら「オッケー」と言って颯爽と取りに行ってくれた。常に持ってないのかよ、と思ったが、行きと同じく颯爽と帰ってきてくれて好きだった。颯爽推し。

 

 

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ギラギラしてやがる。

 

 

 

李緒さんに「写真撮りたいって言ってたよね」と言い出してもらい、撮れる流れとなった。その上「やっぱり動画の方がいいよね」と自発的に変更してくれた。本当にわかっていらっしゃる。

 

そうして16秒の黒歴史が生まれた。色気が服きた顔面美麗、艷波李緒の隣に、水質汚濁ならぬ顔面汚濁こと私が並んでいる光景は正直滑稽だった。室内が暗く、スマホのライトで照らす必要があり、私の顔面の凹凸は見事にとっぱらわれたのである。私のスマホをライトに使用した為、撮影には李緒さんのスマホが使われた。私がライトを持つのが下手すぎて、李緒さんが両方を持って撮影してくれた。その光景は面白かったが、16秒が、彼のスマホにデータとして残っているのが耐えられない。まあ、あまり考えないようにしよう。

動画の終盤で、目の上にキスのサービスを頂いた。瞼が少し濡れた。その瞬間も動画にある訳だが、本当にクリーチャーでしかない私の顔をあまり見られない。画面半分を切り取って保存した。

 

 

 

OZONE-player's club-はフリータイム制だったが、私は終電で帰らなければならなかった。


東新宿から終電(1本前)で帰る、と申し出ると、「20分前に出た方がいいよ!」とテーブルにいたホスト全員がせかせかし始めた。来る時は徒歩5分だったのでよくわらかなかったが、余裕を持って早めに出たらやはり徒歩5分で着いた。夜の男たちの土地勘を疑う。普段電車乗らないのだろうな。

 

 

李緒さんに「早めにチェックした方がいいよ」と言われ「チェックって何ですか」と問うと、「本当に何にも知らないんだね、さっき生まれたばっかりなの?」と言い、かわいがられた。

「チェック」は「会計」なんだってね。知るかよ。頼むから日本にいる間は会計、勘定、おあいその3種で許してほしい。

 

かなり序盤に、李緒さんに「俺も酒飲んでいい?」と言われ、ナチュラルに缶ものの2,000円を初回料金にプラスされてしまっていた。金の使わせ方がナチュラルで怖かった。

しかし会計時には初回料金のみだった。ミスだったのか不明であるが、李緒さんの計らい(?)で初回料金のみでいいよ、としてくれた。

 

 


李緒さんにエレベーター前まで送って頂いた。前を歩く李緒さんをぼーっと眺め、案外小さいな、と思っていた。

 

エレベーターの上昇ボタンを押した後、来るまでの間ハグをされた。嬉しかったのか、あまり覚えていない。めちゃくちゃ困ったのは覚えている。慌てふためいていると「もうエレベーター来ちゃうよ?」と耳元で言われたので、ふためくのをやめ、唸った。なんだこいつ、とパニックになりながらも、李緒さんの背に手を回した。

 

よく分からないハグタイムは、非情にもエレベーターの到着によって終わりを迎えた。ふう、これで終わりか、と思いエレベーターに乗ろうとしたら、身体を掴まれた。その後唇に何らかの感触。痛い、何だ、髭か?混乱していると、李緒さんが「じゃあ」と去ろうとする。お、おう、と思い、再びエレベーターに乗り込もうとし、その自動扉に挟まれた。ダサすぎる。

 

仕切り直し、お別れをする。エレベーター上昇中、箱の中で「そういった類か〜!」と思っていた。偏見にまみれていて申し訳ないが、枕してなんぼ、みたいな稼ぎ方をしてそうだ。

 

後になって思ったことだが、初回で唾つけ次回に期待をさせ、更に金を使わせて枕をにおわせたりしてそうだ。ドツボだ。

 

 

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これがお前のやり方か。

 

 

 

 

ビルを出ると放尿しながら歩いているおじさんがいた。歌舞伎町怖い、と感じる脳のキャパはなかった。無感情で横を通り過ぎる。

 

その後の帰り道も、コンビニで買い物をしている最中も、ホテルに戻ってからも、全身から艷波李緒のにおいがしていた。大変えっちだった。

 

 

 

 

OZONE-player's club-は、その自動扉のボタンを押した瞬間から異世界だった。キャストは当たり前、客でさえもマスクをしていなかったのである。昨今のコロナ騒動が嘘みたいな空間であった。

 

挙げ句キスまでされた。粘膜接触というやつだ。艷波李緒が感染者だったら一発アウトだ。

 

その上、ヘルプでついていたホスト3人のうち2人がコロナ経験者という、とんでもない爆弾をお待ちであった。5ヶ月前くらいにかかったそうだが、風邪よりしょぼかったと言っていた。歌舞伎町、狂っている。

 

 

Club Guysはマスクをしているキャストの方が多かった。それでも顎マスクやノーマスクに違和感を感じた程であったが、あれでも現寄りだったようだ。

 

枝と本指名の違いなのか、キャストや店舗の違いなのか不明であるが、Club Guysのほうが健全にホストをしている印象を受けた。

 

 

 

次回、最低2万円か、と浅草のホテルで途方に暮れる。交通費と合わせると最低5万円から最悪8万円が飛ぶ。ちょっといい物件の家賃か。やはり軽率には会えないか。頑張って行くので褒美でベロチューくらい頂けないだろうか。

 

冗談はさておき、怒涛の濃すぎるエンタメはしごの今日。ライブハウスで場馴れしてないゆうくん神聖かまってちゃんのサポートベース。元ファン。コミュ障っぽい)を見て居た堪れなくなったあと、ホストクラブで場馴れしてない自分を痛感し居た堪れなくなったのであった。

 

 

 

楽しかったのは事実であるが。

なんとも少々の後味の悪さ。